こん◯◯は。「め」の字です。
バーバーショップを始める、続けるにあたっての悩み。
「メンバーってどういう人を集める?!」
「ひとり抜けちゃった!次、どんな人を呼んだらいいの?!!」
「自分たちの声域にあうアレンジがない!」
などなど。
みなさんも悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。
ということで、わたしなりの向き合い方、考え方をお伝えします。
記事の最後に参考動画を紹介していますのでよかったらご覧ください。
バーバーショップ・ハーモニーはもちろん合唱のひとつのジャンルであり、男声合唱、女声合唱、混声合唱という分類があります。
どの編成においてもパートは上からTenor, Lead, Baritone, Bassと呼び、どの編成においても同じ役割を担います。
男声はAll Men、女声はAll Women、混声は2 Men & 2 Womenという認識を持たれることが多くありますが、1 Men & 3 Women / 3 Men & 1 Womenという比率のグループも存在しています。
では、バーバーショップが実際にどんな楽譜で歌われているのか、男声・女声・混声の楽譜を見比べてみましょう。
Barbershop Harmony Societyでこれら3つの編成の楽譜が販売されている場合、多くは調を変更しただけのものが多いです。
中には、Tenor / Baritone / Bassのラインが入れ替わっていることもあります。
(歌詞の変更があったりもします。
男声の楽譜ではGirlと呼びかけていたものが、女声へアダプトされるとBoyとなるなど。
まあ、歌詞を変えればいいって問題ではないとは思いますが……)
また、「◯声なのだから絶対にこの調で歌うこと!」という縛りはなく、メンバーの声域にあわせて楽譜の調を選択する、また、必要によっては既存の楽譜を移調することも多いようです。
この自由さを利用してメンバーを考えたり自分たちにあうアレンジを選んだりしています。
◆バーバーショップにおける男声
参考:It's a Good Day (TTBB) (arr. Steinkamp) - Barbershop Harmony Society
2段譜の上段、ト音記号の下に8がついているので、オクターブ下げて歌います。
TenorがIntroの時点で高いですね。となると後半で更に高くなることが予想されます。
モンスター級に高い声域を求められる場合も多いので、こういった場合はTenorを女性が歌うと無理なく華やかなサウンドを作ることができます。
Baritoneも高い声域へのぼっていくことが多いため、声楽や日本の男声合唱におけるBaritoneのイメージは捨て去ってパートを配置する必要があります。
◆バーバーショップにおける女声
参考:It's a Good Day (SSAA) (arr. Steinkamp) - Barbershop Harmony Society
男声とは異なり、今度は下の段のヘ音記号の上に8がついています。
この場合はオクターブ上げて歌います。
前述の男声Tenorと同様、女声Bassもなかなかのモンスター級で、かなり低い位置で主音や属音・下属音をしっかり鳴らさなくてはならないので、曲選びの際には注意が必要です。
参考:洗足オンラインスクール(主音・属音・下属音について)
そして、実はLeadもやや低いことが多いので、Lead / Bassをしっかり響かせる目的でTenorやBaritoneに無理がない程度に移調をするのもひとつの手段です。
また、Bassに男性を配置ししっかりと和音を支えてもらい安定させるのもレパートリーが広がるように思います。
◆バーバーショップにおける混声
参考:It's a Good Day (SATB) (arr. Steinkamp) - Barbershop Harmony Society
前提として、コンテストにおける混声バーバーショップの歴史が男声 / 女声と比べると圧倒的に浅く、混声をオリジナルとして書き下ろされたバーバーショップアレンジがとても少ないのが現状です。
そのため、
Lead 女性が歌うには低い、男性が歌うには高い
Baritone 男性が歌うには高い、女性が歌うには低い
というような状況が発生しやすいです。
ここは、「楽譜に名づけられた編成」にこだわらず、男女混合でバーバーショップを歌う際には男声 / 女声用のものを使うことを選択してもよいと思います。
また、このパートは必ず◯性が歌う、というような規定もありませんので、
Tenor 女性 - Lead 男性 - Baritone 女性 - Bass 男性
というように配置するのもアリです。
参考:LABBS - Mixed gender barbershop
UKのバーバーショップ協会による混声バーバーショップの解説です。
歌詞への考え方についても触れており、おすすめです。
◆以上をふまえて
バーバーショップは日本の合唱曲と比較すると、求められる声域がとても広いです。
そのため、カルテットやコーラスを組成する際には工夫が必要なことが多いです。
4人以上が揃えば、みんなの性別が違っていても、どんな編成のバランスでも「バーバーショップでない」なんてことは絶対にありません。
大切なのはそのグループにしか作れないサウンドを持つことです。
◯声だからこうあるべきといった束縛から自由になり、メンバーや調を選んでいくことでその先の世界が広がっていくように思います。
メンバー集めや楽譜選びの際の参考になれば幸いです。
バ道はいつでもあなたを待っています!
不定期に開催しているバーバーショップおためし会。
女声版It's A Good DayのBassを男性に歌ってもらっています。
Vintage Mix – When You Wish Upon A Star (2018 World Mixed Quartet Silver Medalist) - YouTube
Potential Scandal – Come Fly With Me (Show of the Champions) - YouTube
Northern Stars Chorus - European & SNOBS Mixed champions 2022 - YouTube